ごくごく普通の社会人読書ブログ

「いいこと読んじゃった」ってなってくれたらうれしいです

#11 『教育虐待・教育ネグレクト』を読んだわい

読者素人

『教育虐待・教育ネグレクト』

を読んでみた

 

 

作者 古荘 純一、磯崎 祐介  光文社

 

目次

あらすじ

「教育熱心」「押しつけ」が生む、
子どもの心の病……

親、教員、大人が知るべき子どもの精神保健の知見とは……?
特別支援教育・高等教育における教育虐待・教育ネグレクトにも注目

 

小児(精神)科・児童精神科を受診する子どもたちのなかには、
家庭や学校で、教育やしつけをめぐって虐待的対応を受け、
不適応を起こしている子どもたちがいる。
学校時代をなんとかやり過ごし、大学までたどりついた学生たちの中にも、
教育虐待・教育ネグレクトを原因とした心の問題を抱える学生が多く、
学生生活や就職活動を機に不適応を起こすことも多い。
子ども時代、そして思春期は、精神疾患を発症しやすい年齢のピークであるのに、
なぜ日本の教育現場では、学校でも家庭でも、
子どもたちの自尊感情を下げるような体験ばかりさせてしまうのか。
本来求められる子どもへの対応とはどんなものなのか。
本書では特に、特別支援教育においても教育虐待・教育ネグレクトが
起きやすいことにも触れながら(アスペルガー障害の当事者が共著者として分析・執筆)、
豊富な事例と共に解説する。

 

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ボク的みどころ

教育虐待・教育ネグレクト。

これ、意外と身近な存在だった。

 

現代の日本人は、自尊感情が低いと言われている。

「私なんか、、、」

「どうせできない」

「むり」

 

実際問題、日本人の自尊感情の低さは

世に出回っている自己啓発本の数を見れば

 

一目瞭然であろう。

 

では、なぜ自尊感情が低いのか。

 

それは、筆者曰く

 

子どもを取り巻く環境に原因がある

 

と述べている。

 

私たちは幼少期から集団の中で育ち、我慢を強いられる。

硬直な学校制度、校則、一律の授業形態、減点主義、相対評価による

達成感の欠乏。

 

一方、オランダは自尊感情が高い。

オランダの学校制度は最小限のルールだけ担保すれば

なにをしても良いという雰囲気だそうだ。

 

日本は、なぜこうもお堅い国なのか。

 

勿論、一概に日本の様なしっかりルールも堅く、

みんなが一律に育つことを目指すことが100%悪とは言えない。

 

だが、みんなが一律に育つことを目標とする時代は

経済状況や職業の増加によって何も意味をなさないだろうと思う。

 

このように、

学校教育がもたらしうる悪影響や

親の経済力によって子どもの学習環境が決まってしまうこと

教師や親からの一方的な教育

 

などをまとめて

 

教育虐待・教育ネグレクトと呼んでいる。

 

本の学校教育に関心がある方、

これから教師を目指す方、あるいは現教師の方

 

現場から少しずつ変えていくためにも

ぜひ一度読んでみてはいかがだろうか。

 

ボク的感想

ボクはこの本を一読し、

教育虐待・ネグレクトが自分の身近にもあったのではないか

 

と思い返してみた。

 

例えば、大学受験。

 

高校の特色によって、

進学校、自称進学校などと呼ばれることもあるくらい

 

高校にとって、良い大学への合格者を出すことは

学校経営を保っていくためにも必要不可欠である。

 

だがしかし、生徒の将来的視点で考えたときに、

 

偏差値で大学を決めさせてしまう制度

(志望理由などを書かせるにしても、学校そのものの雰囲気によって偏差値の高い大学しか選択肢がないこともありえるだろう)

 

は、あまりにも教育虐待だなと感じた。

 

生徒にとって、大学に進んでから就職しキャリアを積み重ねていくことが重要であるのに、高校教育では大学進学しか頭にない。

 

果たして、それは育児放棄ならず教育放棄にならないだろうか。

 

生徒を合格者数としてしか見ない高校があるのならば

いちはやく、改善を願いたい。