『スマホ脳』
著者 アンデシュ・ハンセン 新潮社
目次
内容
現代人にとって手放せないものとなってしまったスマートフォン。
私たちはスマートフォンを使っていると思っているかもしれないが、
実は、スマートフォンに使われているのだ。
多くの方が、スマートフォンで何をしているのか、
いや、何をさせられているのか
というと、それはSNSであろう。
とあるサイトでは
1日のSNSの利用時間の平均は
なんと 77.8分
だという調べも出ている。
SNSだけでだ。
では、そのSNSにはいったいどんなアプリがあるのかというと
Twitter, instagram, Tiktok を代表格にその他諸々のアプリが存在している。
では、なぜSNSの利用時間がこんなにも長いのか。
筆者曰く、これらSNSは報酬物質であるドーパミンを分泌する作用を
上手に利用して、我々ユーザーをSNS中毒者へといざなっているという。
ドーパミンを報酬物質と記したが、
これは要は、ドーパミンによって脳に快感が与えれることを意味する。
そして、このドーパミンは不確かな結果から得られる報酬によって分泌される。
例えば、ギャンブルだ。
ギャンブルはハズレがあるからおもしろい。人を惹きつける。
もし仮に、あたり100%のギャンブルがあったら、
こんなにも人を惹きつける魅力があっただろうか。
ハズレがあるギャンブルだからこそ、当たったときの気持ちよさが忘れられない。
「ピヨピヨーン」と鳴る音に、我々は快感を得ているのである。
そして、この快感をまた味わいたい。
その一心が故に、ギャンブルにハマっていくわけだ。
筆者曰く、SNSもこの仕組みを利用している。
Twitterは下にスクロールすると新しい投稿が表示される仕組みになっている。
つまり、このスクロールという行動に我々は知らず知らずに快感を得て、
中毒になってしまっているのである。
皆さんの中にも、
気付かないうちに、何度もスクロールしている人はいないだろうか。
さっき、スクロールしたばっかなのに。。。
instagramのストーリー機能も然りだろう。
表示されたアイコンをタップすると、新情報を得られる仕組み。
このタップという行動自体に我々は快感を得ているのである。
このように、気づかぬうちに我々は
SNS中毒者へといざなわれ、おいしい利用者となってしまっているのである。
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見どころ
この本では、
など、知っておいたら役に立つ情報や知識が
かなり濃く記されている。
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感想
脳のメカニズムからスマートフォンの脅威について取り上げた一冊。
ボクはスマホがたまに嫌いになる。
そこはもう、底なし沼の入り口になっているからだ。
ボクの中で、人生で一番無駄な時間は「SNSを見ている時間」だと思っている。
SNSで見た内容なんて思い出そうともしない限り、
次の日にはもう忘れているものばかり。それでもやめられない。
それはもうスマホに脳をハッキングされているから。
この本を読了し、「あーやばいな」と思って、SNSを数か月離れたけれど、
やっぱりSNSでの友人の近況や情報収集はしたいものだ。
学校の先生が「SNSは上手に使おう。」と言っていた。
事件に巻き込まれないようにすることが、その言葉の真意かもしれないが
こういった事実を教えることが
SNSとの付き合い方の上達に一歩近づくのではないか。
学校の先生、ぜひご検討ください。